カナダ妄想紀行【その2】
朝布団から起き上がると
まずキッチンへ行き、やかんを火にかけた。
床にクイックルを軽くかけて
空気の入れ替えの為に窓を開けると
外はまだあまり人通りはない。部屋にフーッと冷たい空気が流れ込む。
私の妄想紀行スイッチが入り
昨夜寝る前に見ていた旅行雑誌の一ページを思い出す…
ぽわわわわ~(妄想に入る音)
【旅プラン】…タッタラー♪
・スモークミートサンドイッチin Montreal
・本日の夫
~スモークミートサンドイッチin Montreal~
カナダの右下辺りに位置するケベック州モントリオール。
ケベック州の公用語はフランス語で、地名や道の名前もフランス語で表記されているらしい。石畳の道やレトロな建物は優雅で魅力的なものだ。
留学先としてもとても人気の地域で、有名な大学がいくつもある。
モントリオール観光を一日楽しんだ私たちは
次の日の出発が朝早いため、その日は早めにホテルに戻ることにした。
夕食を買って、ホテルでゆっくり食べようということになり
目をつけていたモントリオールの名物であるスモークミートサンドイッチにすることに決めた。
途中お土産屋さんで、観光地ステッカーを記念に購入した。
会計時、お店の店員さんにお勧めのスモークサンドイッチのお店を聞いた。
私たちはとてもワクワクしていた。
もちろん、スモークミートサンドイッチについてはばっちり予習済みであり、
ハンドブックにも有名店がいくつも載っていたが、
地域の人にお勧めを聞くのはなんだか憧れであり、粋じゃないか!
という気持ちからだった。
そのかいあって、私たちのハンドブックには載っていないお店を知ることが出来たので
よりワクワク感が増していた。
たどり着いた先は、80年代を思わせるレトロで可愛い建物。
一歩お店に入ると、腹の虫を活性化してくれる香りが体いっぱいに入ってきた。
私たちはお勧めをテイクアウトで注文した。
注文を受け取った私たちはまっすぐホテルに帰り…
手を洗い、急いで部屋着に着替え...
いよいよ念願のスモークミートサンドイッチ!
蓋をあけるとそこにはお肉ギューギューギューのサンドイッチ、サツマイモのフライ、ピクルスが並んでいた。
「いただきまーす!!!」
部屋の窓際で、モントリオールの街並みを眺めながら
私たちは夢中でスモークミートサンドイッチを食べた。
感想は...「肉肉しい~!!!」
口いっぱいに頬張って食べる名物は、なんとも贅沢で
この上なく幸せな経験になった。
~本日の夫~
そういえば、一度お店の人にお勧めを聞くことに成功した夫は
味をしめたようだった…
色んな所でオススメを聞くようになったのだ。
日本ではとにかく人見知りな人だったはずだが...
寝る前、ホテルの部屋の隅で、自分のパソコンに丁寧にモントリオールのステッカーを貼る彼の後ろ姿は
なんだかとても嬉しそうだ。
ぽわわわわ~(現実に戻る音)
おっ、もうこんな時間。
チャチャっとハムエッグご飯を食べて
支度して仕事に行こう。
今日のハムエッグは、完璧な半熟具合だった。